ひとりがたり

偏ったメンドクサイ方は御免です。

気まぐれに一筆

toshi

ふらっと書店に入って見ていたら

沢木耕太郎 (いのちの記憶) なる

文庫があったので迷わず購入。

帰って寝っ転がって読んでいたら、

世界ヘビー級ボクシング、ホームズと

アリの一戦から生まれた沢木さんと

高倉健との出会い後の成り行きから、

訃報に接する流れ、何度も読みながら

やはり、沁みる。


今夜に更新を書く気になったのは

そのことではなくて知らなかった話。

彼には小説家、檀一雄を描いた(壇)が

あるけれど、執筆するのに残された

妻のヨソ子さんから話を聞くのに

毎週月曜日、お宅に伺っていた。

回を重ねるうちに次第に打ち解けて

来て三時頃になると、お茶の時間で

ひとやすみ、夕べになると軽食が出る

ようなことになり、或る日に手製の

鯖鮨が出て、それを遠慮も無くペロリと

完食する様子から好みだと思われ、

鯖鮨が定着する。


ヨソ子さんの得意料理だったのかも。

そうした或る日に、来週から月曜じゃ

なく火曜に替えて貰えないかとヨソ子

さんから告げられる。

なんの問題も無く、火曜になったが

其の後、ふとそのワケを聞いてみると

月曜だと前日が魚屋さんの定休日で

活きの良い鯖が買えないからとのこと

だった。


幸田文さん宅に編集者として出入り

していた村松友視さんに、

(幸田文のマッチ箱)があるけれど、

なんだか、似たような話に思えます。

ヨソ子さんの葬儀には沢木さんの壇

が会葬礼品となり後日、娘の壇ふみさん

から取材の頃は母の幸せなときだったと

礼状を頂戴したとか。





×

非ログインユーザーとして返信する