臣さん、達者で
妻亡きあとに〜近藤正臣
郡上八幡ひとり暮らし〜
朝食は食べない、
11時ごろ、一寸部分を焦がした
クロワッサンに蜂蜜をつけて
食べている。
40代にドラマの撮影で訪れた
岐阜県の奥美濃地方、郡上八幡に
魅せられて逗留を重ねながら、
2017年に妻と共に移住する。
住いは鵜飼を観光とする長良川の
上流、渓流釣りで知られる吉田川
の川沿いにある。
小中高が同じで、共に育った
一才下の妻とはオミさんヒロさん
と呼び合う長い付き合いの仲だった、
環境の良い自然に包まれた地方で
穏やかに老いて行くはずだったのに
ヒロさんは脳卒中の発病からやがて
認知症となり、2023年に先立って
しまう。
認知症の晩年にも好きな音楽には
反応を示し、オミさんの腕に手を
置いてリズムを刻んでいたらしい、
ヒロねぇさん、ジャニスを聴いて
いたんやね・・・♬
【和訳】Maybe / Janis Joplin / The Ed Sullivan Show / English→Japanese
オミさん、残されてしまったな、
三度続いて肉じゃがと呟かれている。
全く、暗さを感じさせない方だ、
なにごとも受け入れる。
他人さんに亡くした大事な妻を話し
安売りしない立派なもんですよ。
大切なヒロさんに先立たれ、老いて
独りになり、生きていたいとも思わ
ないけれど、オミさんの現在を追っ
た此の番組は、
「かるく、も〜ちょっとだけ
生きてみるか」
と、彼の言葉を得て、閉じられた。
✰
